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第3回美山音楽祭参加レポート

第3回美山音楽祭参加レポート   2025/11/17  かんのみすず

「美山町」は京都府のほぼ中央にあり、美山かやぶきの里・北村を有する風光明媚な南丹市北部の町です。
 2ヶ月前、知人の茅葺のお宅の離れに3日間お世話になり、Balladを歌うべく美山音楽祭に参加して来ました。
 美山町音楽祭は今年で3回目。若手の音楽家の集まりである「今様音楽企画」主催の音楽祭で、年々参加者も観客も増え規模が拡大している音楽祭です。特徴は町の中の様々な場所でプロ、アマチュアを問わず多種多様なパフォーマンスや演奏が行われることと、すべてのコンサートが無料で楽しめることです。
 今年はクラッシック、ポップス、アイリッシュにペルシャ音楽、なんと声明も。そしてBallad。
 昨年、知人のFacebookで美山音楽祭のことを知り、今年、はるばる札幌から演奏に行ってきました。

さてここからは演奏の話を。
本来は1組1枠なのですが、ありがたいことに京都在住の知人のユニット2組と共演できることになり、私のソロ演奏と合わせて3回の演奏ができました。

1ステージ目は「Beans cafe miyama」
ゆば工房のお隣、広々とした和と洋が融合したおしゃれなカフェ。共演は京都在住のユニット「みゅーず」。
実はこの「みゅーず」は昔々ネットで知り合ったユニットで、検索ワードは「ブリティッシュ・トラッド」だったような。
今はアイリッシュとオリジナル曲を演奏するギターとヴァイパーのとっても素敵なお二人です。
私の7弦Lyre弾き語りの後、みゅーずの演奏、最後に「Lovely Joan」を3人で。ギターソロとヴァイパーのソロが入ったアレンジで大作でした。
たくさんのお客様が足を運んでくださり、静かに音楽に耳を傾けてくれる感じが伝わる温かいコンサートでした。

2ステージ目は翌日の日曜日。「京都丹波高原国定公園ビジターセンター」
ビジターセンター2階の100人ほど入れるセミナールームで今回唯一、共演者のいないソロでの演奏でした。
なんと広い会場にお客様は0人!…と思いきや演奏が始まると1階のお客様が続々と2階に上がって来てくれて、最終的に30人ほどが会場に。年齢層も様々、地元以外の方も。ビーンズカフェと同じく温かな雰囲気で、全員が最後まで席を立たずに聞いていてくださったのが、何より嬉しい思い出です。

最後のステージは「美山エビスウッズガーデン・カフェ」
地元の食材や特産品も扱っているカフェレストランの店主は音楽好きでPA完備。この日に合わせて作成された衝立をバックに演奏しました。クレヨンで衝立に描かれたのは「手」。当日の私の衣装にぴったりの色合いでした。
共演は「琉球プロジェクト」。ヴァイパーとヴィオラ・ダ・ガンバのユニットです。普段は多様な音楽を演奏する彼らですが、今回は名前の通り琉球古典音楽からオリジナルまで沖縄音楽を演奏。
私は無伴奏で「Cruel Mother」、7弦Lyreで「Cruel Sister」、12弦Lyreで「Barbary Allen〜こきりこ節」、そして共演で沖縄民謡「赤田首里殿内」を。嬉しいことに会場は超満員。
本当にいい共演者といいお客様に恵まれて無事、美山音楽祭の3ステージを終了しました。

<音楽祭参加を終えて>
「Trad.  Ballad  口頭伝承」、この呪文のような言葉を今回の音楽祭で何回も口にして来ました。

ほんの少しでもBalladという言葉を記憶に残したい、興味を持ってもらいたいといった目的でした。それが成功したかはわかりませんが、最後のステージの時に声をかけてくださった方の言葉が今回の音楽祭での私の一番の収穫でした。
「歌はそのままでいい。きちんとした曲の説明はいらない。イメージが伝わる詩のような短い言葉で紹介するといい。そうすればステージ全体がもっと良くなる。今度共演しましょう。」
京都在住の外国人パフォーマー(音楽家)の方からいただいた言葉です。
私は札幌に帰ってからこの言葉を繰り返し考えています。実はここにずっと悩んできたことの答えがあるように思えたからです。以前、別の方から大事なのは「自然体」でいること、と言われた時と同じような感じでした。
演奏を頑張るのではないことはわかったので、考えてみようと思います。
そしてゆっくり、来年の自分のコンサートの構想、バラッド協会のコンサートの構想も考えてみようと思います。

個人的な音楽祭のレポートにお付き合いくださり、ありがとうございました。当日演奏した曲目は、録音録画もなく記録に残していなかったので、ほぼ記載してません。

朝靄の美山町の景色は幻想的。今度はゆっくりと、でもやはり演奏で訪れたい、そんな音楽祭参加でした。
https://tinyurl.com/4cuec935